犬っこブログ

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犬の生理について色々と語る

犬の生理について

犬は、「出血を伴う生理」がある珍しいほ乳類です。

「生理」というと人間でいうところの「月経」を連想しがちですね。

人間の「月経」は女性の方はみなさんほぼ経験があると思いますが、28日程度の周期、つまり、月に1度程度に数日間のに渡り、出血があるのです。

男性はあまり見たくない(と思われる)生理用ナプキンやオムツのTV-CMで、こぞって青い液体が用いられていますが、あの青い液体が血の色をしていて少しドロっとしていると想像して頂くといいでしょう。

実はこのような「出血を伴う生理」があるほ乳類はあまり例がなく、人間を含む高等霊長類(猿、類人猿)と、犬(イヌ科)ぐらいなのです。
『生理=出血を伴うもの』というイメージをお持ちの方も、多かったのではないでしょうか?

ちなみに、猫にも、ウサギにも「出血を伴う生理」はありません。なので、犬の生理は哺乳類全般でみると非常に珍しい タイプの生理なんですね。

見た目には同じような「出血を伴う生理」がある人間と犬ですが、その中身は大きく異なります。

人間の生理の場合

人間の場合、生殖可能な子宮は受精卵の着床のために様々な準備を行いますが、受精しなかった場合、不要になったモノ(子宮内膜)が排出されます。

犬の生理の場合

犬の「生理」は子宮内膜の充血によるもので「準備オッケー!」のサインともいえます。

このように、人間と犬の「生理」は出血を伴うという点では似ているものの、意味的には全く異なります。

人間の女性では生理(月経)前後が妊娠しにくいとされますが、犬では生理による出血直後が妊娠(受胎)しやすいと言われるのもこのためです。

犬の「生理」のメカニズムとは

さて、犬の生理について軽く触れてきましたが、犬の生理いったいどのような仕組みで成り立っているのでしょうか?
生理になると犬は食欲不振に陥ったり、腫れがでたりと症状は様々だったりします。なので、犬が生理になる頻度やなりやすい期間、症状などを仕組みから見ていきましょう。

犬の生理について

人間の場合、出血をしている期間を生理(月経)と指すことがほとんどですが、犬の生理は発情前期・発情期・発情後期の期間を指し「生理」よりも「ヒート」と呼ばれることが一般的です。

犬の生理は小型犬で年に2回、大型犬で年に1回程度。頻度は少ないんですね。

日照時間の関係もあり、時期としては春と秋に生理になる犬が多いという説もあります。

高齢になるごとに生理と生理の周期が長くなり、出血が減る傾向にあるようですが、閉経(生理が終わること)はありません。

発情前期「フェロモン」に注意

一般的に出血が見られます。犬の生理用パンツやおむつを履かせていると出血の有無が分かりやすいです。

小型犬の場合には無出血の子もいます。

また、出血量が少ない場合は、雌犬自体が舐めてしまい飼い主さんが気がつかないでいる場合もあるようですが、外陰部の腫れやおっぱいの腫れといった所見が見られます。

犬の生理の期間は小型犬で10日程、大型犬で2〜3週間続き、大型になるほど出血量が増える傾向にあります。

また、頻尿になる子も多く、この頃の尿には強いフェロモンが含まれています。
そして虚勢していない雄犬にとって、雌犬のフェロモンは非常に魅力的なもの。

全く無反応な個体がいる一方で、リードを引きちぎる、2階から飛び降りる、窓を突き破る等して、遠くの雌犬に駆けつけようとする、雄犬同士で争う、荒れ狂った様に吠えまくる、家中を駆け回る等、尋常じゃない行動を見せる場合があります。
子孫を残すという意味では、このように命がけの行動をとるのは自然の成り行きかもしれませんが、さすがに2階から飛び降りたり、窓を突き破ったりはとても危険なので、あまりにひどい場合は、去勢手術を考えた方がいい場合もあります。

発情期「うっかり妊娠」に注意

発情前期の雌犬は自ら雄犬を受け入れませんが、出血が終わった頃には、雄犬を受け入れる体勢が整います。

会陰部に触れると尾を片側に寄せるようになり、雄犬に外陰部を見せたり雄犬が上に乗ることを許容します。

期間としては約10日間ですが、排卵卵子が子宮内に放出されること)された卵子は、その後数日間は受精可能な状態が続いています。

飼い主さんが目を離した隙に、雄犬とじゃれている間に交尾がはじまってしまう場合があります。

雄犬は雌犬の膣内に性器を挿入した後、ロックをかけてしまいます。この交尾体制に入ると人間の力では簡単に引き離せなくなります。(無理に離そうとすると犬が大怪我します)

犬は妊娠しやすい動物ですので、出産を望まない場合は、雄犬に近づけない、近づかないなど注意が必要です。

発情後期「想像妊娠(偽妊娠)」になるケースも

発情期を経て発情後期に入った雌犬は、2ヶ月程度(目安はその犬種の妊娠期間相当)の間、発情後期に入ります。

この時期は雄犬を受け入れることはなく、犬の生理(出血)は完全に終わります。

妊娠していなくても妊娠の兆候を見せる子は案外多く、食欲不振、乳腺の発達や乳汁の分泌、巣を作ろうとする等の行動を見せますが、一定期間を過ぎれば自然に治まるものなので、静かに見守ってあげましょう。

以上のように、犬の生理は成り立っているんですね。